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【2つの意味を知ってる?】「貴賎」の意味や類語・例文を解説!「職業に貴賎なし」の使い方も紹介!

【2つの意味を知ってる?】「貴賎」の意味や類語・例文を解説!「職業に貴賎なし」の使い方も紹介!

「高い身分、低い身分」「尊いことと卑しいこと」を意味する「貴賎(きせん)」ですが、正しい意味や使い方をすぐに説明できますか。今回は、あまり耳にすることのない「貴賎」を意味や由来、英語表現、「職業に貴賎なし」について詳しく説明していきますので確認してみましょう。

目次

「貴賎」の意味とは

皆さんは「貴賎(きせん)」という言葉をご存知ですか。日常生活の中では聞き慣れない言葉だと思います。まずは、「貴賎」とはどの様な意味なのかをしっかりと理解しましょう。また、由来を知ることによって分かる深い意味などもあるので、今回は由来についても詳しく説明していきます。

「貴賎」には意味が2つ

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「貴賎」の2つの意味
  • 身分の高い人と低い人
  • 貴い(尊い)ことと卑しいこと

「貴賎」とは「身分の高い人と低い人」「貴(とうと)いことと卑(いや)しいこと」という二つの意味を持つ言葉です。これは、それぞれの漢字が反対の意味を持っていて、「貴」は「身分の高さ、貴さ」を意味し「賎」は「身分の低さ、卑しさ」を意味します。

つまり「貴賎」とは、身分の高低差や物事の品位の差を意味する言葉になります。

「貴賎」の読み方

「貴賎」は「きせん」と読みます。「賎」は訓読みで「いやしい」「いやしめる」と読み、音読みでは「せん」「ぜん」と読みます。
「貴賤」と表記されることもありますが、これは「賎」の旧字体が「賤」のためであり、特に意味の違いはありません。

「貴賎」の由来

それでは由来や語源はどこからきているのでしょうか。
「貴賎」の由来は江戸時代に遡ると言われています。当時の思想家・倫理学者の石田梅岩(いしだばいがん)によって「貴賎」を用いて使われる代表的な「職業に貴賎なし」と言う言葉が発せられました。当時の江戸時代は士農工商で身分が階級分けされていたため、人間の価値というのは職業では決まらないと、商人の立場を擁護する言葉を作り上げたと言われています。

また、一説の由来では平安初期には「貴賎」は言葉として誕生していたと言われており、勅撰史書「続日本紀(717年)」には「貴賎」が使われた文言が残されているそうです。

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「貴賎」の正しい使い方・例文

「貴賎」の意味や由来を理解したところで、さっそく使い方を例文と併せて見ていきましょう。「貴賎」を用いた代表的な言葉を三つご紹介していきます。

「職業に貴賎なし」の使い方

「貴賎」を用いた表現の中で最も使用頻度が高いのが「職業に貴賎なし」という表現です。先述した様に、これは「人間の価値というのは職業では決まらない」という意味を持ちます。

言い換えると、すべての職業は仕事内容や待遇に関わらず尊いことである、つまりお金を貸す仕事も、命を救う仕事も、物を売る仕事も全てにおいて同等の価値があるということを示しています。
ただし、注意して頂きたいのがここで示している職業というのはあくまでも社会にとって必要性のある仕事です。法律に触れる様な犯罪行為や、社会にとって有害な仕事はこの「職業に貴賎なし」の職業には該当しないので注意しましょう。

したがって、「職業に貴賎なし」は人間を職業によって差別するべきではないという意味が込められた表現になります。

また、最近は間違った使い方をする人も増えていて、合法的な仕事であれば仕事に良いも悪いもないという意味で使われることもあります。しかしあくまでも、「職業の差がない」といった意味ではなく「職業の階層はあるが、人間的価値には起因しない」という意味なので意味を取り違えない様に注意が必要です。

例文
  • コンビニの定員であろうと、居酒屋の定員であろうと、職業に貴賎はないのだから丁寧な態度で接するべきだ。
  • 職業に貴賎なしとはいうが、医者になった友人は私を見下してくる。

「貴賎をつける」の使い方

「貴賎をつける」は「優劣をつける」事を意味し、対象となる物事の価値に優劣をつけることを差します。

例文
  • 芸術に貴賎をつけるのは間違いだ。
  • 貴賎をつけるような評価ばかりで、モチベーションが上がらない。
  • 他人の職業に貴賎をつけるのはよくない。

「人に貴賎あり」の使い方

「職業に貴賎なし」と先述しましたが、「人に貴賎あり」とは逆説的に嘆く時に使われています。

他にも

  • 職業に貴賎あり
  • 人生に貴賎あり

など、人々は不平等であり、人間の価値が高い人も低い人もいるということを嘆き表しています。

熟語を加えた「貴賎」の意味・使い方

「貴賎」とは「高い身分と低い身分」「貴いことと卑しいこと」を意味すると先述しましたが、熟語として使う際は「貴賎〇〇」や「〇〇貴賎」のようにして使います。

貴賎都鄙

「貴賤都鄙」は「きせんとひ」と読み「全ての人」を意味しています。「都鄙(とひ)」という言葉もなかなか見慣れないですよね。これは「都会と田舎」という意味を持ちます。

例文
  • 貴賤都鄙問わず、愛された人物

全ての人に、愛された人物
という意味になります。また、四字熟語を二つ繋げて「老若男女貴賤都鄙(ろうにゃくにゃんにょきせんとひ)」という言葉もありますが、これが先程の「全ての人」という意味を更に強調した表現となります。

貴賎上下

「貴賤上下」は「きせんじょうげ、きせんしょうか」と読み、「身分の高い人と、身分の低い人」また「全ての人」という意味を持ちます。「貴賤」と意味は同じですが、「上下」という似た意味をつけることによって更に強調した表現になります。

例文
  • 明日の会議では、貴賤上下の区別なくお互いに正直に議論しましょう。

明日の会議では、身分や階級関係なく正直に議論しましょう。

このように、「貴賤上下の区別がない」と使い、身分や階級による差がないことを表しています。

貴賎結婚

「貴賎結婚」は「きせんけっこん」と読み「社会的や法的身分による大きな差がある人物同士の結婚」を意味しています。
これは「卑賤結婚(ひせんけっこん)」や国によって「左手婚」とも呼ばれています。

「貴賎」の類語

対局にある2つの差を表している「貴賎」の類語はいくつかあります。その中でも代表的な類語を4つご説明していきます。

優劣

「優劣」は「優れていること」「劣っていること」を意味します。
対局にある二つの差を表していることから、高低差を表す「貴賎」と類語になります。

例文
  • AさんとBさんの能力に優劣はない。

序列

「序列」は「順序を付けて並べること」「決まりによって並べられたもの」を意味していて、これも類語になります。
身分においての順番という意味もあり「序列の低い」という時は「身分の低い」といった意味になります。

例文
  • 年功序列ではなく、実力に応じて給料を上げる企業が増えてきた。

尊卑

「尊卑」も「高い身分と低い身分」を意味する言葉で、類語の一つです。「そんぴ」と読み「貴賎」と同じく対局な二つの意味の「尊い」と「卑しい」を持ち合わせいるので、類語になります。

雲泥

「雲泥の差」と使われる「雲泥」は「うんでい」と読み、「天にある雲と、地にある泥」という意味です。
「二つの間に大きな差異のあるたとえ」という意味で使われています。

例文
  • 彼らの実力には雲泥の差がある。

「貴賎」の英語表現

日本語でもあまり聞かない「貴賎」ですが、英語にも似た様な表現はあります。ここからは英語での表現をご紹介していきます。

「rank」「high and low」

「貴賎」を表す英語は「階級」を意味している「rank」、「高い低い」を表す「high and low」が使われます。ただし、「high and low」には「あらゆる場所に」という意味でも使われるので注意しましょう。

例文
  • The law makes no distinction of rank. (法律には貴賎の別無し)
  • High and law celebrate New Year’s Day. (貴賎の別なく新年を祝う)

「職業に貴賎なし」の英語

  • All occupations are equally honorable.

→「occupation」は「職業や仕事」のことで、workとしても大丈夫です。「equally」は「同等に、等しく、平等に」、「honorable」は「尊敬すべき、立派な」という意味を持ちます。

つまり、「すべての職業は平等に立派である」「職業に貴賎なし」となるということです。

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「貴賤」の意味を理解して使ってみよう!

いかがでしたか、今回は「貴賎(貴賎)」をご紹介しました。
あまり耳にしない言葉ですが、由来を知ることによってなるほど、と頷ける事が出てくるのではないのでしょうか。
今回は、意味や熟語、類語や英語での表現の仕方もご紹介したので、ぜひ機会があれば「貴賎(貴賤)」を使ってみてください。

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