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「なるほど」の正しい敬語表現は?言い換えも例文を用いて解説!

話を円滑に進めるために欠かせない相槌の言葉ですが、その中でも「なるほど」はかなり頻繁に使う言葉です。しかし、この「なるほど」は実は敬語ではないので、使い方には注意が必要です。ここではそんな「なるほど」の言い換えとして知っておきたい敬語表現などをご紹介します。

目次

「なるほど」は正しい敬語表現か

「なるほど」の使用上の注意点

CHECK
注意点
  • 「なるほど」の言葉の意味合い
  • 「なるほど」は敬語ではない

家族や友人と話している時、相手が思いがけない提案をしたら「なるほど」と相槌を打ちますが、実はこの「なるほど」という表現はビジネスで使う時には注意が必要です。

その理由の一つ目は、「なるほど」という言葉の意味合いです。「なるほど」という言葉には、相手の発言に対して自分が評価を下し、賛成したり褒めたりしているという意味合いがあります。

評価を下すといえば、学校の先生が生徒の評価をしたり、上司が部下の評価をしたりと、立場が上の人間が下の人間に対して行うというイメージがあります。
したがって、「なるほど」を使うと相手に対して上の立場から話しているような印象を与えてしまいかねないのです。

「なるほど」を使う時に注意が必要な理由の二つ目は、「なるほど」という言葉は敬語ではないという点です。

「なるほど」の正しい意味については後ほど詳しく解説をしますが、例えば「この商品の名前はAAとするのはどうだろう。」と聞かれた時の相槌の「なるほど」は感嘆詞となります。

そしてこの感嘆詞は敬語にはなることができません。極端に言ってしまうと丁寧に「はい」と返事しているのではなく、カジュアルに「うん、うん」と相手に対して言っているのと同じになってしまうのです。これではビジネスの場面では不適切です。

「なるほどですね」は敬語表現として適切でない

「なるほど」は敬語ではないならば、敬語にするための「です」を付ければどうだろうと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

実際、「なるほどです」や「なるほどですね」といった使い方をビジネスの場面で見かけることもありますが、これも正しい使い方とは言えません。

これも「なるほど」の品詞を考えてみれば理由がよく分かります。「なるほど」は先ほども述べたように感嘆詞として使われることが多いです。そして、感嘆詞には敬語にするための「です」は付けられません。

例えば、「さぁ」や「もしもし」といった感嘆詞に「です」を付けて「さぁです」や「もしもしです」とすることがあるでしょうか。これにはかなり違和感があるはずです。同じように感嘆詞としての「なるほど」に「です」を付けることは不適切なのです。

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「なるほど」の正しい意味

相手に対して同意を表す意味の相槌などとして使用される「なるほど」。ここからご紹介していくのは、その「なるほど」の正しい意味についてです。

「なるほど」を適切に使用したり、ビジネスの場面では適切な類語に言い換えるためには、「なるほど」という言葉自体の意味をきちんと把握しておくことが大切です。

「なるほど」という言葉は、漢字で書くと「成る程」となります。「程」という漢字は程度、レベルという意味合いですので「成る程度まで」、つまり「できる限りの程度まで」となります。

それが時を経て「できる限り以上のものはない」、「ほかには考えられない」となり、最終的には「明らかである」というような現代の意味に落ち着きました。相槌で使うなら「あなたの言うことは、明らかに正しい」といった意味で、同意や賛同を表します。

そして、「なるほど」を文法的な側面からご紹介すると、感嘆詞と副詞に分類することができます。感嘆詞はすでに触れたように、「さぁ」や「あぁ」と言ったような種類の言葉になります。

副詞の場合は、名詞以外を修飾する言葉ですので、例えば「なるほどその案は素晴らしいですね。」といったように使い方をします。類義語には「確かに」が挙げられるでしょう。

「なるほど」の言い換え敬語表現

「なるほど」という言葉には敬語の意味がなく、ビジネスの場面で使用するのには注意が必要なら、代わりに使える言葉にはいったいどのような言葉あるのでしょうか。ここからは知っておきたい「なるほど」の類語についてご紹介しましょう。

「なるほど」のように相槌として使う言葉は、会話の中で同じものを何度も何度も繰り返していると、相手は「この人は本当に話をしっかり聞いているのだろうか」と不安になったり不快になったりしてしまうものです。

「なるほど」と同じような意味を持ち、かつ敬語としても正しい類語をいくつか頭に入れておけば、ビジネスの時に焦らずにスムーズな会話を展開することができます。

相槌の敬語表現

単純に相槌を打ちたい時であれば、一番重宝する「なるほど」の類語は「はい」です。「はい」という言葉自体は敬語というよりも丁寧語にあたりますが、会話の流れを止めずに相槌を打つような場面では「はい」で十分です。

説明を受けている時、自分が分かっていることを表現しようと「なるほど、なるほど」と繰り返していませんか?この場合の「なるほど」は「はい」に言い換えてしまうといいでしょう。

納得した時の敬語表現

続いてご紹介する「なるほど」の類語は、相手の言ったことに対して納得した時の敬語表現です。この場合「なるほど」は「わかりました」と言い換えることができます。

例文を挙げると、上司に「この会議の資料だけど、もう少し字を大きくした方が見やすいね。」と言われて納得した場合は「なるほど」というのではなく、「わかりました、すぐに変更します。」とするとスマートな印象です。

また、「わかりました」というのは丁寧ではありますが、ビジネスの場面でもう少し丁寧さを増した敬語表現にしたい場合は「承知しました」、「承知いたしました」、「かしこまりました」などといった類語が考えられます。

同意した時の敬語表現

相手に対して同意の意味で「なるほど」を使いたい場合には、「おっしゃる通り」という類語がおすすめです。

「おっしゃる」というのは「言う」の敬語(尊敬語)なうえ、「なるほど」のように相手に対して評価を下すといったニュアンスもありません。

ミスを指摘された時に相手に対して丁寧に同意するという例文では、お客様に「すみません、ここの表記が間違っているように思うのですが…」と指摘された場合、「なるほど」と答えるのではなく「おっしゃる通りです。すぐに訂正いたします。」となります。

また、会議などで「今回のプロジェクトには、AよりもBの方がいいでしょう。」という上司の意見に「おっしゃる通りです。Bで進めましょう。」と簡潔に答えることができます。

正しいと感じた時の敬語表現

相手の発言が正しいという意味で「なるほど」を使いたい場合は、「確かに」という類語が適切です。また、先にご紹介した「おっしゃる通り」という言葉と組み合わせて「確かにおっしゃる通りです」というように使うとバリエーションを持たせることができます。

例文としては、「雨が降りそうだから傘を持って行った方がいいと思いますよ。」と言われて、「確かに。ありがとうございます。」と答えたり、「今日は遅いから電話を入れるなら明日にしよう。」と言われて「確かにおっしゃる通りです。」と答えるといいでしょう。

理解を示すときの敬語表現

「なるほど」の類語として最後にご紹介するのは「左様でございます」です。先にご紹介した「おっしゃる通り」とほぼ同じような意味、つまり、同意を表す敬語表現です。

ただし、「左様でございます」はかなり形式ばった敬語ですので使う場面には注意が必要です。「左様」というのは「その通り」という意味で、「ございます」は「です」の丁寧語となります。

例文として考えられるのは、社長から「今回のプロジェクトを仕切っているのは君かな?」と聞かれて「左様でございます。精一杯努力いたします。」と答える場面です。

また、クレームの電話で相手からの説明を一通り聞いた後に「左様でございますか。大変申し訳ございませんでした。」と答えるのもおすすめです。

「なるほど」の英語表現

続いてご紹介するのは「なるほど」の英語表現です。英語の場合は日本語ほど敬語のバリエーションがありませんので、ビジネスの場面で同僚に対しても上司に対してもほぼ同じような表現を使うことができます。

ただし、同じ表現を繰り返して使っていると印象がよくないのは日本語の場合と同じです。なるべく多くの使い方や例文を頭に入れておくようにしましょう。

I see.

「なるほど」を英語で表現したい場合に一番便利に使えるのは「I see.」です。「see」という単語には「見る」という意味もありますが、ここでは「分かる」という意味になり、「I see.」を直訳すると「私は分かります。」となります。

日本語の「なるほど」には評価の意味がありましたが、「I see.」にはそのようなニュアンスはなく、単純に相手に対して理解を示しているという意味になります。

例文では「I have to leave early today, because I have to pick up my kids.」に対して「I see.」となり、日本語では「今日は子どもを迎えに行かなくてはならないから早退しないといけないんだ。」「そうですか、わかりました。」となります。

「I see.」と似たような使い方ができる英文としては、「理解しました」という意味の「I understand.」や「もちろんです」という意味の「Sure.」なども覚えておくと便利です。

That makes sense.

もう一つ、「なるほど」と同じように使いたいのが「That makes sense.」という英文です。これは、そのまま直訳すれば「それは道理にかなっている。」というような意味ですが、一言で表すと「なるほど」と同じです。

英語のネイティブスピーカーはこの「That makes sense.」や単純に「make sense.」を多用しますので、ぜひ覚えておきましょう。

また、強調したい時には、「完全に」という意味を持つ副詞「totally」を入れて「That totally makes sense.」と言うとさらに使い方が広がります。

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