エフィッシモはシンガポールに拠点のある、旧村上ファンドの幹部であった高坂卓志氏ら3人が運営する投資ファンドです。
積極的に株主提案などをする「物言う株主」として知られています。
投資先には有名企業も数多く、一部では経営陣に助言や提案を行うこともあり企業にとっても重要なポジションを占めています。
- エフィッシモ・キャピタル・マネジメントの投資先は?
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エフィッシモ・キャピタル・マネジメントが実際に投資している企業は、
- エフィッシモ・キャピタル・マネジメントの実績は?
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エフィッシモ・キャピタル・マネジメントは「国内最強アクティビスト」と言われ、日本株の推定運用額は1兆円を超える実績があります。投資先企業に対する積極的な株主提案をする「物言う株主」として、村上ファンドの系譜を引き継いでさまざまな企業に一目置かれています。
- エフィッシモ・キャピタル・マネジメントの特徴は?
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エフィッシモ・キャピタル・マネジメントはシンガポールに拠点のある、旧村上ファンドの幹部であった高坂卓志氏ら3人が運営する投資ファンドです。積極的に株主提案などをする「物言う株主」として知られています。投資先には有名企業も数多く、一部では経営陣に助言や提案を行うこともあり企業にとっても重要なポジションを占めています。投資手法は企業の買収、合併、資産売却、自社株買いなどを行うイベントドリブン手法をとっています。
エフィッシモはシンガポールの投資ファンドのひとつ
エフィッシモはシンガポールに拠点のある、旧村上ファンドの幹部であった高坂卓志氏ら3人が運営する投資ファンドです。
正式名称は「エフィッシモ・キャピタル・マネジメント」で、2006年に設立しています。
積極的に株主提案などをする「物言う株主」として知られています。
投資先には有名企業も数多く、一部では経営陣に助言や提案を行うこともあり企業にとっても重要なポジションを占めています。
投資手法は企業の買収、合併、資産売却、自社株買いなどを行うイベントドリブン手法をとっています。
投資のスタンスは明らかにされてないものの、主に東証一部上場企業で業績悪化した銘柄を株価が低いときに大量に買い込むことが多いです。
過度な敵対的投資は避けるとしているが、場合によっては行使する姿勢も否定していません。
2021年3月18日の東芝の臨時株主総会で、エフィッシモの株主提案が可決されたのは、日本のコーポレートガバナンスにおいて画期的な出来事と言われています。
東芝に関しては、巨額の損失を計上して株価が急落した際に大量取得し、筆頭株主になっています。
このように1投資ファンドでありながら、大企業に対しても積極的に提案していき経営に影響を与えていく姿勢は多くの企業にとって画期的かつ驚異的な存在であると言えます。
エフィッシモが裏でいくつもの大企業を操ってきた謎に包まれている印象があるのは、上記のような背景があるからでしょう。
「国内最強アクティビスト」として名高いエフィッシモの戦略は謎も多いですが、過去にいくつもの大きな活動をしてきています。
では以下でさらに詳しく過去の事例を交えて実績を紹介していきます。
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エフィッシモの主要メンバーは3人
エフィッシモの主要メンバーは村上ファンド出身の高坂卓志、今井陽一郎、佐藤久彰の3人です。
高坂氏は米国籍であり米ベンチャー企業や投資ファンドなどで勤務した後に村上ファンドで勤務し始めました。米国籍のため日本の一般的な若者とは違う経歴で異彩を放っていたようです。
今井氏は1978年生まれで日興アセットマネジメント株式会社やMACアセットマネジメント株式会社で勤務後、エフィッシモを設立しました。
佐藤氏は三井物産出身で2007年2月よりエフィッシモに加わりディレクターとして活動しています。
エフィッシモの実績
エフィッシモは「国内最強アクティビスト」と言われ、日本株の推定運用額は1兆円を超える実績があります。
投資先企業に対する積極的な株主提案をする「物言う株主」として、村上ファンドの系譜を引き継いでさまざまな企業に一目置かれているエフィッシモですが、実際にはどのような提案活動を行っているのかを以下で紹介していきます。
2008年学研ホールディングスに社長解任の株主提案
エフィッシモは2008年に、学研ホールディングスに社長解任要求の株主提案を提出しています。理由は、企業価値が大幅に棄損され、株主として経営陣を信任できないというものでした。
その後のエフィッシモの活動は以下のとおりです。
- 学研HDの業績不振を指摘し企業価値が大幅に低下していると主張
- 2007年7月に学研株の持ち株比率を13.41%とし、筆頭株主に浮上
- 2008年1月末に18.82%にまで買い増しし、発言力を強める
- 2009年、持ち株会社化に反対して買い取り請求権を行使し、学研は総額48億円でエフィッシモ保有株を全て買い取る
この「社長解任要求」はエフィッシモが2008年4月22日、関東財務局に大量保有報告書を提出したことで明らかになった。
提出理由は株式の保有目的の変更でしたが、一般的には株式の売買がきっかけになることが多い。
2007年夏段階では単なる「純投資」とされてましたが、12月の報告書では「純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案等を行う」という事業にふみ込んだ記載に変更され、徐々に経営陣に対する発言力が高まっているのが伺えます。
大量保有報告書の「保有目的」の記載にはそれまでの保有目的に加え、株主総会で社長の解任要求の方針を明らかにしました。
具体的な理由は、10期連続の減収、4期連続の営業減益、社長就任以降の累積当期純損益が538億円の赤字、純資産の大幅な減少を主張しました。
学研HDに対して説明を求めましたが4か月間回答が無かったため、社長の解任要求に至ったと説明されている。
もともとエフィッシモは村上ファンドのように注目をあびるような企業への働きかけは避ける方針をみせていましたが、「もの言う株主」として序盤から方針を転換させていることが分かります。
2019年6月日産車体に対して定款の一部変更の株主提案
2019年6月には、日産車体に対して定款の一部変更の株主提案を提出しました。具体的な内容は以下のとおりです。
- 提案の内容は「取締役会議長は社外取締とする」「指名委員会等設置会社への移行」
- この株主提案は否決されたが、賛成率が37.4%
- 2018年8月頃、株価低下に目をつけ2年ぶりに日産車体株を買い増し
日産車体とエフィッシモは以前から揉めており、親会社の日産自動車の株式の受け取り金利をめぐり訴訟をおこしています。
日産車体は日産自動車グループのキャッシュマネジメントシステムを利用していて、日産車体のB/Sには日産グループファイナンスに対する預け金を114,577百万円を計上しています。このグループ内でのやりとりに対してエフィッシモは、受け取り金利が低すぎると主張したのです。
その後も株価が下落したときに買い増しを続けており、徐々に日産車体に対する影響力を増やしてきています。
このようにエフィッシモが「モノ言う株主」として、いかに積極的に企業に提案しているのが分かったと思います。
川崎汽船をクリーピング・テイクオーバーで追い込んだ
2019年6月、エフィッシモは「クリーピング・テイクオーバー」と呼ばれる戦術で川崎汽船を追い込みました。
「クリーピング・テイクオーバー」とは、ある企業の株式を市場で徐々に買い集め、実質的な支配権を得るまで段階的に保有比率を高めていく手法です。
徐々に保有比率を高めることで、経営陣にプレッシャーをかけていくことができます。
川崎汽船の件では最終的に保有株比率をあげたエフィッシモの裁量が強くなり、エフィッシモのパートナーである内田龍平氏を社外取締役に交代させてしています。
詳しい流れは以下のとおりです。
- 2015年、川崎汽船の株式を約6%取得しエフィッシモは大株主になる
- 2016年、クリーピング・テイクオーバーで34.22%まで持ち株比率を引き上げ追い込む(3分の1超の株式を持つと、定款変更・合併など経営の重要事項を株主総会で拒否できる権限を持てる)
- 2019年4月1日付で明珍幸一氏が新社長に就任
- 2019年6月、筆頭株主であるエフィッシモからパートナーである内田龍平氏を社外取締役として受け入れることを決断
川崎汽船のような大企業が、エフィッシモのような物言う株主を取締役に受け入れるのは極めて珍しいことです。
実は2015年に川崎汽船は買収防衛策は経営陣の保身につながるとして、防衛策を廃止していました。国内外の機関投資家の批判を参考にした結果でした。
そして防衛策の廃止は功を奏し、2014年に200円台で推移していた株価も2015年には350円を超す水準まで上昇しました。
しかし株価は上昇したものの、防衛策の廃止にエフィッシモは目をつけ攻勢をはじめ、2015年9月には株式を6.18%保有する大株主になったのです。
このようなしたたかで戦略的な取り組みが「国内最強アクティビスト」と言われる所以なのでしょう。
2021年3月18日に東芝がエフィッシモの提案を可決
東芝は2021年3月18日の臨時株主総会で、筆頭株主であるエフィッシモの株主提案を可決しています。
提案内容は2020年7月に開催した定時株主総会の運営の適正性について、独立調査を求めるというものでした。
株主が開催を求めた総会で、株主提案が可決されるのは大企業では異例なことでエフィッシモの剛腕ぶりがみえます。
株主提案に至る経緯は以下のとおりです。
- 2020年9月、複数の株主の議決権行使書が信託銀行の集計業務で無効になっていたことが発覚し、エフィッシモは東芝の圧力で議決権行使を断念した株主がいると主張
- 東芝は調査して問題なかったと主張するが、エフィッシモは第三者による再調査を求める提案
- 株主提案は可決され、調査によって東芝は不正会計で自己資本を大きく失う
東芝はエフィッシモのような株主との対立を楽観視していた可能性があります。
経営陣は株主からの信頼を過信し、徹底的な調査を求める株主の本気度を見誤ったことでこのような株主提案を受け入れることになってしまったのです。
このようなエフィッシモの大企業に屈さない態度は、東芝の件が例外的ではなく日本企業全体に対する株主の存在感を強めていると言えます。
エフィッシモの投資先一覧
エフィッシモが実際に投資している企業は、
などがあります。
時価総額1兆円を超えの第一生命HDや東芝の、10%近くの株式を保有しているのは驚異的です。
ほかにもリコーやヤマダホールディングスなども有名企業です。
川崎汽船に関しては40%近い株式保有比率になっています。
また自動車系や製鉄系の歴史あるメーカーのニッチな分野に強みがあり、大企業の子会社やグループ会社にも投資しています。
エフィッシモが大量保有報告書を提出した投資先
2023年現在、エフィッシモは主にUACJの株を買い増ししています。
口コミによるとUACJは社内で派閥闘争が起きており、投資チャンスと考えたエフィッシモが株式を大量に保有しています。
現在では14%程度保有しており、今後もエフィッシモが順調に株式を保有すると社長をはじめ役員総入れ替えをせざるを得ない状況になる可能性があります。
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エフィッシモの今後の活動に目が離せない
この記事ではエフィッシモについて、東芝や川崎汽船、日産車体、学研ホールディングスなど名だたる有名企業に対しての株主提案や投資実績について紹介してきました。
そして1投資ファンドがいかに企業を追いつめ、「国内最強アクティビスト」と呼ばれるようになったのかを解説しました。
謎に包まれた正体と国内で盤石なポジションを確立しているエフィッシモですが、今後の展望については公にされていません。
しかし市場に対する影響力を考えると、今後も目が離せません。
近年の株主として業界全体に与えた実績を考えると、「村上ファンド系」と呼ばれることも少なくなり独自の戦略と活動によって評価され、ますます影響力が強くなるのではないかと思います。
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